LINE 対話型保険加入体験
フォームを対話に置き換え、ユーザーが「気づいたら完了していた」体験を
ある保険機関向けに、LINE 上の対話型保険加入体験を設計しました。ユーザーはもうフォーム画面いっぱいの入力欄に向き合う必要はありません。自然な対話を通じて、ニーズの明確化、保険プランの提案、情報の入力から決済の完了まで、すべてのステップが対話の中で一歩ずつ進行し、自分がどこにいて次に何をすべきかが常にわかる状態です。
このプロジェクトで深く理解したことがあります。良い対話体験とは、フォームをチャットバブルに分割することではなく、「いつ何を聞くか、どう聞くか、回答の後にどうつなげるか」というロジック全体を再設計することです。
上記はインタラクションフローのイメージです。実際の画面はクライアントの要件に応じてカスタマイズされており、守秘義務により公開できません。
課題:プロセスは完璧、でもユーザーは完了できない
旅行保険は典型的な「ニーズは急いでいるのに、プロセスが長い」シナリオです。ユーザーは出発直前に保険の必要性を思い出すことが多いのに、直面するのは:
- 選択の麻痺:プランが多すぎて選べず、情報量に圧倒されて結局購入を諦める
- フォーム疲れ:契約者、被保険者、受取人、約款同意——各項目は妥当だが、1ページに集中すると見ただけで疲れ、離脱は大抵フォームの途中で発生
- ラストマイルの断絶:署名・決済へのつなぎがスムーズでないと、確認ページで止まり、未完了の申請が残される
企業にとって、これらの摩擦は加入完了率とカスタマーサポートコストに直結します。
ソリューション:「いつ何を聞くか」を再設計する
まずニーズを理解し、それから提案する
商品カタログを提示してユーザーに自分で比較させるのではなく、構造化された対話で旅行の目的・方法・期間を明確にし、回答に基づいて適切なプランを推薦。ユーザーが感じるのは「自分のニーズをわかってくれている」であり、「また自分で調べなければならない」ではありません。
長いフォームを小さなタスクに分割
保険加入プロセスを明確な対話セグメントに分解。各ステップは一つのことだけを処理し、完了してから次に進みます。ユーザーはフォーム画面いっぱいの入力欄に圧倒されることなく、迷ったり誤入力したりしにくくなります。以前入力したデータ(契約者情報など)は次回の加入時に自動入力され、繰り返し入力の摩擦を解消します。
「送信」を本当の「完了」にする
対話終了後、システムは署名・決済フローにシームレスに接続。ユーザーにとって、ニーズの明確化から決済完了まで一つの連続した体験であり、最も重要なコンバージョンステップで途切れることがありません。
成果:「見ただけで諦める」から「気づいたら完了」へ
| 導入前 | 導入後 |
|---|---|
| フォーム画面を見て途中で放棄 | 対話による段階的ガイダンスで、各ステップが明確に完了可能 |
| 商品リストからユーザー自身が比較、選択困難 | 対話でニーズを明確化後にプランを推薦、意思決定の負担を軽減 |
| 再加入時にすべての情報を再入力 | 過去のデータが自動入力され、再加入がより速く完了 |
| 署名・決済の接続が断絶、完了率が最終ステップで停滞 | エンドツーエンドでシームレス、重要なコンバージョンステップが途切れない |
チャットボットから AI Agent へ:同じ体験設計の心得
このプロジェクトは「AI Agent」という言葉が流行する前に完了しましたが、その過程で蓄積した設計の心得は、今日優れた AI Agent を構築するために最も必要なものです:
- 意図理解:ユーザーが正確な指示を出すのを待つのではなく、対話を通じて本当のニーズを段階的に明確化する
- フロー設計:いつ聞くべきか、いつ実行すべきか、いつ次の段階に引き継ぐべきかを把握する
- 摩擦制御:すべてのインタラクションポイントで離脱の可能性を低減する。「機能的にできる」だけでは不十分
- タスク完了指向:対話全体の目標は質問に答えることではなく、ユーザーがタスクを完了するよう導くこと
今日の AI Agent はかつてのチャットボットよりスマートですが、「スマート」は「使いやすい」とイコールではありません。体験設計を経ていない AI Agent は、しゃべるフォームに過ぎません。
どのようなシーンに適していますか?
AI Agent、LINE 公式アカウント、またはあらゆる対話型サービスを計画中で、以下の特徴に当てはまるシーンがあれば、ぜひご相談ください:
- ステップが多く入力項目が多いプロセスで、ユーザーが途中で離脱しやすい
- ユーザー自身に選ばせるのではなく、条件に基づいてプランを推薦する必要がある
- LINE、Web、App 内で対話型のガイダンス体験を提供したい
- AI Agent を導入中だが、コンバージョン率を本当に向上させる対話フローの設計方法がわからない